伊勢

長い間の念願だった伊勢と熊野。
喜び勇んだものの、その日は数年に一度の猛吹雪。
2泊3日でその日だけ限定全て込みで3万円の格安旅行。

情報では飛行機欠航だらけ。
まず、無理だと言う人と取りあえず向かう。
行ってみると「行きます」
ほーう、そうかい、行けるのかい。
で、飛行機に乗った。
オニギリ食べてお茶一杯飲んで、融雪剤が飛行機に撒かれるのを見て、2転3転するアナウンスにどうなるのかと期待と諦めとが交差。
そして、動いていないのに揺れる飛行機に座って1時間半。
結局下ろされた。
そして、待合室で1時間。
結局荷物を受け取り、又待つこと1時間。
「12時の飛行機が飛びます。予定変更になりますが行きます!」の心強い言葉にどよめくも、直後に入った電話によって「すみません。中止とさせていただきます」
行く!行かない!行く!行かない!
で疲れた―。
さっさと帰りたいのに「折角来たんだ、ゆっくりしていくべー」
何が面白くてゆっくりする?と思ったけど、糟糠の妻お付き合いして一杯800円の珈琲を一緒に飲んだ。
私一人なら絶対に飲まぬ。
貧乏性だから、800円は払えない。
ソファでゆったり、が売り物のお店。
幸いお客さんは一人もいない。
ああ、遠い伊勢とため息吐息。

帰り途、思君楼にてお蕎麦を食べ「温泉に寄るか?」にまっすぐ帰ると返事。
疲れ果てて、大好きな温泉に入る気力もなかった。

夜、反省会。
「今日は残念だったが、今年中に今度はじっくり時間をかけて車で回る」
「あんなに沢山の人が止まる場所探して右往左往してる中、しかも行列作って出るか出ないか分からん飛行機を待ってる中、こうして家に無事帰ってこれてよかった」
ほー、めづらしいではないか。
なんとポジティブなご発言。

わたしゃ、憧れの伊勢と熊野に行けなかった無念でそんなにポジティブにはなれんぞ。
もう、寝る!

翌日、矢張り荒れ模様。
少し落ち着いてやっと事態を受け入れ始めた。
そうだ、今回はベストチャンスではなかったのだ。
伊勢に行く前に何やら神社に行って禊をしなさいとか伊勢に行くならあそこに行きなさいとやら、色々な人が教えてくれたが、今回のはツアーなのでそれは叶わぬところだった。
そうか、そういうことか。
きっと今年中にリベンジ出来る!
やっとそう思えるようになりました。
少々時間がかかりました。
余りに子供みたいに楽しみだったので。

はあー、疲れがまだ残っています。