お弁当

常連さんからお弁当を頼まれた。
亡き娘さんの10年めの命日に、家族とお坊さんだけの会食にと。
「去年5000円のお弁当とったけど、ちっとも美味しくなかったから、あーちゃんお願い」って私5千円のお弁当なんて作れない。
では、いくら?ってあなた、私わからんよ。
4千円?「・・・・・」「わかった、じゃあ、2千5百円にしよう」で、今朝弁当作って清田の自宅に届けてきた。
ついでに、お参りさせていただいた。
ああ、20代で突然逝ってしまったという娘さん、可愛らしい成人式の着物姿の写真に、胸が詰まった。
母親として、どんなに辛くて苦しい日々を送ってきたのか、想像すらできない。
沢山の夢を持って、芸術的な才能を生かす前に逝ってしまった娘さん、お会いしたことはなかったけど、きっといつもお母さんと一緒に来ているね、って思う。
たった4個の弁当だけど、心を込めて作った。品数10個以上。
自然食の店で食材調達から始まり、デパートで生麩を買い、容器にもこだわった。
ご飯は黒仙石に満月の塩とお酒と昆布で炊いた。
ほんのり桜色になったけど、20代の娘さんの供養だから、白でなくてもいいか。
2日前から下準備して、昨日は大方手順を整え作れるものは作って、今朝、余裕だったのに、時計を見て焦った。
外野の夫が横から色々言うので、少々焦った。
「大丈夫、間に合う。あせらない。落ち着いて」って自分に声をかけながら仕事を進める。
季節の野菜グリル焼きは、たれをどうするか、最後まで決まらない。
で、コーンの豆乳をフライパンで作り、それを野菜に乗せてオーブンで焼いてみた。
かなり美味そう。
生シイタケに手前味噌とオカラとくるみを混ぜて、粉つけて軽く焼いた。
味噌とくるみがマッチして美味しい。
高野豆腐にした味つけて、中にグルテンあんを詰めて、でんぷん粉で軽く揚げたのも、きっと美味しいはず。
銀なんは、庭の赤松に3個通して彩りに添えた。
ユリ根は、さっと茹でて梅酢を和えただけ。色がとってもきれい。
煮なますは、コロコロサイコロに切った大根と人参。
サツマイモは蒸かして、丸めて白ゴマと黒ゴマ別々に転がした。
メインの煮物は、和こんにゃくなるものを見つけたので、塩ゆでした後、切り込みを入れて、桜型の人参、細筍、高野豆腐、生麩などとじっくり丁寧に薄口で煮込んだ。
揚げに巻いた牛蒡と人参は少々濃いめの味に。
他に何作ったっけ?
写真とろうと思ったのに、忘れた。
喜んでもらえたか、値段に合っていたか。
気になるけど、もう済んだこと。
材料費計算するのが、恐ろしい。
でも、勉強になったし、何より楽しかった。
でも、当分、いいかな。
ああ、疲れた。