アイソン彗星か?

満月と満天の星の中、鹿の谷(かのや)というホロカ温泉の露天ふろの中で、幸せを噛みしめていました。
カルシウム、ナトリウム、鉄鉱泉の3種類のかけ流し温泉が並ぶ混浴の温泉。谷に囲まれた秘湯は、自炊の宿。昭和21年開業というからもう67年も続いているらしい。耳の遠いお婆ちゃんが一人でやっているので、後継者がいなくいつ店じまいするかもわからないから、と息子がさそってくれて、日、月と小学校が休みだったので、2人の孫と4人の一泊旅行。
まず、かんの温泉近くの名もない野天の温泉へ。通行止めから歩いて15分、川の側に3つの湯壺が。ここに入るのか?孫達は、もう服を脱いで大きな湯壺にドボーンと。
息子も裸でドボーン。熊スプレー持って、ここまで来たのだもの、入らないわけにもいかんでしょう。私が入ったのは、山側のがけ下の小さな湯壺。ぬるぬるとして、底に葉が堆積しているのがわかる。浮かんでいる葉っぱや、虫たちは無視。そんなの気にしていたら、絶対に入れない。きっと、清潔好きなきちんとしている人なら、あれはちょっと無理だなあ。
でも、入ってしまったら、気持ちが良い。大自然の一部になったような感覚だった。11月の半ば、だあれも来るはずのない野天風呂。所が、真冬の正月には、ここで温泉に浸かりながら、宴会するそうな。世の中には、物好きな人もいるもんだ。って、うちの息子もそんな種類の人だった。
そして、混浴の秘湯鹿の谷温泉は、思いのほか、お客さんがいてびっくり。
耳の遠いお婆さんに代わって、お客さんがメンテナンスや、掃除などを手伝っているそうな。
フアンが沢山いるんだね。みんな、この温泉を愛しているのが、つたわってきたわ。
混浴で、恥ずかしがっていたら、いつまでも入れない。タオルを腰に巻いて、胸からタオルをたらして、堂々と入る。「なに、慣れるもんよ」と常連の湯治客の女の人が言っていた。
おっぱい山の見える樹氷のきれいな素晴らしい温泉に癒されて、帰り十勝の山の上をふと見ると、何かしっぽが燃えている物体発見!
何だ?あのしっぽは?彗星か?「アッ、アイソン彗星か?まさか、いや、そうなのか?」と運転しながら息子がいつになく興奮している。
雲に隠れて、また顔を出して、と暫く楽しませてくれた。満月と満天の星とアイソン彗星?と贅沢な小旅行でした。