主婦って?

友達から「遊びにおいでー」と声がかかり行ってきた。
最近、あまり自宅にお邪魔する機会がなくなって、というか、我々の年齢の、主婦と呼ばれる人には、そのお連れ合いがいて、(いない人もいるけど)そのお連れ合いが留守の時しか、ゆっくりと井戸端会議もできなくなってきたというのが原因か。
要するに、定年退職した連れ合いが、殆んど家にいるので、仲良しの主婦も家ではなかなか会えなくなってしまった、ま、そんな感じかな。
現に我が家も御多分に漏れず、数年前から、何となく家でランチ会がなくなってきた。
ま、それはいいとして。
友達tちゃんは素晴らしい御主人と2人暮らしだ。その素晴らしさは、いつも感心、感動してなんてあんたは幸せなの?と思うのに、当の本人は「当然でしょ」というので、ま、そんな夫婦も世の中にはいるのねえ、とため息交じりに言っていた。
いつか、我が連れ合いに、さし障りのない言い方で、その御主人の事を言ったら、「そんなにいい旦那だったら、あんた一緒になれば?」と。きっと、さし障りのあるもの言いだったんだろうね。ま、仕方ない、腹に一物あり、だったし。
お母さん、お母さんとそれはそれは大事にしてくれるご主人で、たまには台所にも立つし、茶碗洗いも勿論率先してしてくれるし、ま、すべてにおいて旦那の鏡みたいな、日本男児の鏡みたいな人だと、尊敬の念を抱いていた私。
所が、である。tちゃんは何か浮かない顔。「なんかさ、私なんかいなくても、ここの家はちっとも困らないんだよね」
要するにだ、今になって自分の存在価値に疑問を持ちだしてきたようなのだ。
今まで、その恩恵にたっぷり浸って、なんの疑問も持たなかったのにさ。
今まで、彼女なりのすることがあって、その上で御主人の優しさに感謝しながら、でも、ちょっぴりあたり前になってきて、彼女のすべきことが減った今、私のすること、とられてる!みたいになったみたい、かな?
わたしめも、今、主婦業半分も出来なくて、お米を研ぐのから、食器洗い、洗濯物干し、ゴミ出し等などを御主人さまにやってもらっている身でありまして、(3カ月限定)なんか暇でわが身をもてあまし気味。そんな立場に置かれて、初めて主婦業って、結構、生きがいだったのではないか?とちと思ったりして。
どっぷり漬かっていた時は、いやあ、たまには手伝ってくれたっていいしょや、みたいに不平たらたらだった。
だから、tちゃんの御主人が神様みたいに見えたんだ。
「あんたさ、あんないい旦那いないよ。自分がすることないなんて、我がまま過ぎる」なんてちょっと説教じみたこと言ったら、彼女も本当は自分の気持ちに気がついていたもんだから「言ってくれてありがとう」
ま、人は、ない物ねだりするものだからね。tちゃんも、早く何か楽しいこと見つけて、前のように元気になってね。
私は、何せ期間限定なので、もう少し恩恵に与かるとしましょう。