川下りカヌーの旅

長男が休暇をとって川下りに出かけた。
妻と二人でタイに行く予定が、色々な事情でボツになり、結局、一人で川下りに出かけて、今日で5日目。
十勝方面の川を下っているらしく、居場所だけは連絡がくるらしい。
昨日は、歴舟川だったかな。
紅葉真っ盛りの今の時期、景色に癒され一人でのんびり川を下り、きっと幸せな気持ちでいるのだろうと察する。
しかしだ、川をカヌーで下って、車のある場所までどうやって戻るのか?
歩いて?いえいえ、世の中には親切な方が沢山いて、ヒッチハイクで元の場所に戻るらしい。
何せ、川下り歴20年以上のベテランの彼、親としてはあまり心配もしてはいない。すっかり馴らされた。
最初のころは、帰ってくるまで心配したがすぐ慣れた。愛犬クロも川にお伴していたので、息子の心配より、クロの心配したりして。山にクロを連れて行った時など、熊に襲われないか、道にまよっていないか、等クロが心配で自分でもおかしかった。
知床の山に行き、一週間連絡がなかったり、十勝の山にこもったりしたときは、流石に熊に食われたのか?と心配したっけ。この寒い時期、彼は川に潜り、魚と戯れ、まるで子供みたいに川と遊んでいるらしい。
彼の楽しみは、家族も巻き込み、休日になると家族で川へ山へと行く。
1年生も4年生もカヌー捌きは子供とは思えないほどらしい。私も2度ほどカヌーに連れていかれて、その楽しさは理解できるけど、冬でも川に潜って遊ぶというのは、全く理解できない。
今、1年生の子がまだお腹にいた時、作家の梨木香歩さんと一緒に川下りした時の事が、梨木さんの本に載っている。
彼女は息子と意気投合したらしく、お腹の子どもの名付け親になりたいと言ってくれて、1年生の子は、とても素敵な名前をつけてもらった。
外国からのホームステイの子は、ほとんどが千歳川のカヌー下りに連れていかれる。
どの子も初めての経験に、川遊びの楽しさの洗礼を受ける。
観光地に連れていくより、このほうが喜んで貰えるから不思議だ。
アジアを放浪して歩いていた彼が、ごく普通のサラリーマンになった時、本当にそれでいいのか?と親の方が彼の普通の姿に戸惑っていた。
だから、今も川や山に度々行く彼に、どこかほっとしている。
今回一人で旅している彼は、きっとリフレッシュしていい顔して帰ってくるだろう。

そして、もう一人の息子は、分刻みのスケジュールをこなす毎日。
昨日お嫁っちから、その強烈な忙しさをきいて、大丈夫かいな?とちと心配している。
でも、自分の仕事に加えて、避難者の為に、様々な活動している彼は、我々の理解の外にいる。
あまりにもその携わっていることが大きすぎて。
今、自分の係わっている事が、自分の生涯の使命と思っているから、あのバイタリティーが沸き出るのだろう。
何か自分の息子の自慢みたいに聞こえるかもしれないけど、ここまでくるのに、どれだけの試練と苦悩の連続だったことか。だからこそ、2人の息子が、其々の生き方を楽しんでくれていて、本当に良かったと思っている。

月曜日、公民館を借りて、25日の為の最終練習をした。
総勢20名の出場だけど、その日は出ない人も含めて28人くらいいたかな。
民謡メドレーに加えて、ジョンガラ曲弾き、そして日本を代表するような大きな会社の社長が唄う「望郷じょんがら」の三味線。一週間前に前奏を全員で弾くことになり、この一週間で必死に覚えた。驚くことにほとんどの人が、覚えてきていた。ただ、早くなるとついていけなくなったりして、結局、4時間の厳しいお稽古になった。
とっても大変だったけど、なんて楽しいんだろう、こんな機会は、めったにないぞ、と心の中で「ね、先生、見ていてくれてるかい」と亡き師匠に語りかけていた。みんな、先生がいなくなっても、こんなに頑張っているよーと。
このメンバーの中に、ババと孫の組が3組もいて、仲間が「いやあ、3組もお婆ちゃんと孫がいるよー。すごいねえ。親子じゃなく孫だよー」そうだね、考えて見ると、これって素晴らしい!私の孫娘も、心が喜んでいると感じるほど背中から湯気が上がっていた。さあ、明日本番。全国から集まる社長さん達に、三味線を堪能してもらえるような演奏にしたい!