癌さん

先日は20代で胃癌になった人が来たし、昨日は食道がんに肺がんのダブルの人が来て、今日は乳がんで、これから手術の方が来た。共通点は明るく元気。
乳がんの方は、77歳の今まで病気をしたことがなく、乳がんにはなるは、自転車に乗っていて、タクシーに後ろから衝突され片腕骨折、片腕にヒビが入ったとか。
こんなあたり年はないから、宝くじを買おうと思うのと言った。
そうだね、きっと当たるねと大笑いした。
とっても素敵な方で、長らくやっていたお店は、私の憧れの的だった。
どこをとっても彼女のセンスの良さが出ていて、彼女には色んな事を学んだ。
お店やろうかなとおもっているの、と相談した時「やんなさい。私は一度止めていた店を75歳で又オープンしたんだよ。あんたはまだまだ若い。やれるやれる!」とエールーを送ってくれた。
それが、今、私がここにあることへの大きなきっかけの一つにもなっている。
77歳にして、美しく背筋もピンとのび、素敵な雰囲気を醸し出している彼女が、わざわざタクシーに乗って私の所へ来てくれた。
老後、家にいて座ってできるからと、墨絵でもやろうかと墨絵教室に通い始めたばかりなのに、先生に勧められ出した作品がいきなり賞に入り、何とその作品が今、韓国で展示されているんだとか。始めたばかりなのにそんなことになちゃって、驚いちゃった、ですって。長年培ってきたセンスが、墨絵で開花したのかも。、
まだまだ、色んな人を楽しませる使命があるんだから、手術して悪いとこ切って、また会おうねえと見送った。きっと元気になってひょっこり顔を出してくれそうな予感がする。


昨日いらしたyさんのお母さんは、なんか普通の人が見えないものが見えるらしい。昨日お話している途中、彼女の目が誰もいない和室に向いた。「あら、何か見えるの?」「あのね。おばあさんがニコニコ笑って喜んでこっちを見ているの。よかったね、沢山人が集まってくれて、っていってる。とっても、喜んでるよー」それを聞いた時は、きっと私を守ってくれているお婆ちゃんだね、と思った。でも、夜、ふと気がついた。母だ!と。
母の若かりし時の帯を、タペストりー、ナプキン、テーブルセンター等に利用している店のインテリア。
この帯なんて素敵なの、と昨日、褒められて「お母ちゃんがしていた帯なの。切ってしまったけど、多分、お母ちゃんが喜んでいるような気がするんだよね」と何故か母と言わず、お母ちゃんと言ってしまった私。そうか、お母ちゃんが喜んでくれているんだ。
ああ、私をいつも見守ってくれているのは、おばあちゃんだけではない、お母ちゃんもだったんだ。嬉しくて嬉しくて、yさん母さんに感謝感謝です。