長髪

今から40年前の事、腰まであった髪を結婚が決まってから、肩より短めに切った。切った髪は、確か一人で庭のどこかに埋めたような記憶がある。何故か?って。
うーん、色々あってねえ。
結婚相手は「切ったのか」と残念がっていたなあ。どうも、長い髪に惹かれたようだった。
でも、ね。私には私の思いがあったものだから、また、新しく伸ばそうと思ったんさ。
ま、遠い昔を思い出した。あれから40年もたつなんて・・・・。
息子たちが小さい頃、カットは私の役目だった。ある日、確か3歳くらいの長男の髪を切っていたら、虎刈りになってしまい、結局床屋のお世話になり、丸坊主になった。
それはそれで可愛かったけど、連れ合いが、息子と分からず「ほう、今時珍しい丸坊主の子がいるぞ」と一緒にいた同僚にはなしていたら、なんとよくよく見たら、俺の息子だった、と言ってえらい怒られたっけ。
次男の髪を切っていて、これまた虎にしてしまい、姉の所へ電動のバリカンを借りにいったら「どれどれ、私がやってやるよ」といきなりジーとやったら、真ん中が真っ青の坊主になった。仕方がないから全部やってしまおう、と結局真っ青な坊さんが出来上がり、申し訳ないからと姉の子まで道ずれにして、連れ合いに「すみませんでした。お詫びにうちのtも坊主にしました」
そんなこともあったなあ。
しかし、その後、すっかり腕を上げた私は、連れ合いの髪も切っていた。
髪を切るって本当に楽しい。
長じて、ここ数年は孫達の髪も切っている。
6歳児の髪を切ったら「素敵な髪型ね。どこの美容室?」などと褒められたと言われて、私って髪きるの上手いじゃんとちょっと自慢だった。
しかし、である。最近、孫達は大人びたのか、だあれも私に切ってもらいたがらない。
次男の嫁が元美容師で最近彼女に切ってもらうのが、我が家の流行になってきたから。
ま、いいか、充分楽しんだか。
髪だけではない。6年生は「服かってくれるなら、自分で選びたい。あーちゃんとはセンスが違うから」なんてお生なことを言うようになった。
数年前まで、女の子6人分の服をリサイクルショップで買うのが楽しみだった。
5千円も出せば、6人分を何枚もゲット出来た。
しかし、今はもう大人サイズになって、好みも其々違うし、リサイクルショップで買う楽しみもなくなった。
ま、いいか、充分楽しんだから。
すべての事は、刻々と変化するのだ。
変化と言えば、今日驚愕したことがあった。
ある70代後半の夫婦が離婚し、明日奥さんが40代の子ども2人と、家を出るのだと。夫婦仲が悪いのはしっていたけど、もう若くはない、自分で家事もしたことがない父さん一人残して出ていくって、どういうこと?ま、人生色々だけど、これってあまりにも、悲しい出来事で、なんか切なすぎる。
一人残された父さん、これからどうやって生きていくのだろう。
父さんの気持ちは推し量れない。母さんも相当の思いの末のことだろうから、ただただ、ため息がでる出来ごとだった。
人生何が起こるかわからない。