先日、髪の毛が伸びて邪魔、と思ったらもう我慢できない。
でも、スキばさみは壊れたし、まさか百円ショップのハサミで切るわけにはいかないし、どうしようかな、美容室に行くのも面倒だし・・・ふと目に付いたのが連れ合いの愛用する鼻毛切りハサミ。先がまあるい小さなはさみだ。
試しにちょっと切ってみると、これがまた、結構な切れ味。これだ!というわけで、洗面所でドンドン切っているうち、右と左が微妙に違う。また、切る。なんかめちゃくちゃだけど、まあまあ、か。と、自己満足。あれから1週間たち、舞台も終わったし、後ろの髪の毛が長すぎで、どうにも邪魔くさい。時間はある。気になっていた美容室に行ってみることに、直ぐ決定。
その美容室は、福島から避難してきたsさんに格安でカットをしてくれている、と聞いていたし、何故かその美容室帰りの人がお店に来てくれたりで、前から気になっていたのだ。だから、やっと行けたって感じ。
カッコイイお兄さんに「鼻毛切り」で切った、と言ったら「裁ちばさみで切った人はいるけど、鼻毛切りは初めて」と言われて大笑いになった。
sさん、kさん、fさんと色々繋がりもあり、お兄さんもsさんから我が家の話をきいていたとかで、線が繋がっていった。
なかなか腕がいいと、すぐにわかった。だって、私の襟足の上に跳ね上がったのを、直ぐにそこを剃って上から髪を被せる、と言った人は彼が初めてだから。おぬし、なかなかじゃねと思いながら、彼の感性にお任せする。
出来上がった髪は、今までの長い人生で初めての短髪に。
顔が小さいから、似合っています、と言われたけど、これって似合っているっていうのか?と思いながら、でも、なかなか気に入った。
後ろがすっきりしているのも、気に入った。
うん、なかなかいいんじゃない?
そして、昨日のこと、普段妻の顔なんてまともに見てないだろう連れ合い、まして、髪がどうなったかなんて、まるで興味がないであろう連れ合いがなんの脈絡もない中、突然言った。
「どこの床屋だ?」えー、何のこと?と思ったら「なんちゅう、へたくそな床屋だ」だって。
思わず噴き出しそうになった。
なんせ、昔から女は髪が長くないと女じゃない、などと、どこの時代の人?と思う発言を繰り返してきた人物、男みたいに短くした妻の髪が、いくら関心がないとはいえ、なんたるさんたるちあ、と思ったのだろう。
思えば40年の結婚生活の中で、髪を短くしたのは5,6年前から。
亭主の好きな赤烏帽子、っていうのを真面目に守っていた貞淑な妻からの脱却だったけど、すでに、妻の髪型なんてどうでもよかった彼は、今まで一言も文句を言わなかった。
でも、いくらなんでも酷いとおもったんだろうねえ。
ま、髪は伸びるから、そのうちに見なれるでしょう。あ、見てないか?いや、見てるか?どっちなんだ?
今日3年生の孫が「あーちゃん、その髪にしたらすっかりお婆さんになったねえ」と言った。
そして、近所に町内会の配り物をしたついでに、孫を連れて、引っ越してきたばかりのお宅に挨拶に行ったら「あら、お子さんですか?」「いえ、孫ですよ」「あらー、お若いお婆ちゃんなんですねえ、お母さんかと思いました」
ほらほらほら、人の目ってだから当てにならないんだよ。
以前、同じ日に「あらー、痩せたわねえ」「あら、太ったんじゃない?」と違う人に言われて、つくづく人の目っていい加減なものだわって思った。
お婆ちゃんになったり、お母さんになったりさ。
一度短くしてみたいと思っていたので、今のこの髪型は、結構気に入っているので、美容師のお兄さん、下手な床屋、なんて言った人の事は、気にしないでね。また、お願いしますね。