チエリノブイリハート

去年観たこの映画の事が新聞に載っていた。
私が観た日は、最終日だったのに観客がたったの4,5人だった。
今こそ日本人が観なければならない重要な映画なのに、とても残念だったけど、今、この映画を広めようとしている人が増えてきているという新聞記事だった。しかも、その広めようとしている人の名前に見覚えがあった。
数年前、生まれたばかりの子どもを連れて御夫婦で我が家に来たことのある、あの彼女だ。
そうか、田舎に住んでいても行動しているのねと、嬉しくなった。しかも、多くの人に観てもらいたいと私が思っていて、何も行動出来なかったあの映画を、今まさに広げようとしている。頑張れ!応援しているよ。
日本が危機的な状況にあるのに、呑気に構えているお役人さんたち、自分の子どもが福島に住んでいるとしても、こんなに悠長にしているのだろうか?
日本の未来を背負ってたつ子供達が、あのチエルノブイリの子どもたちと同じ苦しみを負うかもしれないというこの現実にいつまで目をつぶるつもりなのか。
いわきからの避難者の人に聞いた話しだけど、友人の子どもが吐き気、鼻血、倦怠感で苦しんでいるという。きっと証拠がないと放射能の疑いも闇に消されてしまうのだろうか。
立派なソーラーハウスの家を持つsさん一家も、パパが鬱病になり結局仕事に戻れず、去年の秋から悩み続けていたけれど、家も車も売り北海道に根を張る覚悟がついたらしい。
しかし、病気のパパは決断能力がなく、悩みぬいたママが決断した。
会社は家族揃って福島に戻り、パパを助けるべきだ、と半ば脅かしをママに言い続けてきた。
こんなことになったのも、地震津波ばかりか、原発問題が一番のことの始まりなのに、その東電からは、なんの保障もお詫びもなく、ただただ、家族は苦しみの中におかれたままだ。
会社を訴えることもできる。しかし、円満に退職したほうが、色々な面で有利かもしれない、もう、彼らには戦う気力もない現状だ。
ママは時々私に話して少し元気になって帰る。
女は強いなあ、とママを見ていておもうけど、これからも病気のパパ、婆ちゃん、娘達を守って生活していかなければならない。
私はただただママの話を聞いて、一緒に泣いたり笑ったりするしかできない。そうそう、美味しいご飯を食べてもらってほんの少しの時間ゆったり過ごしてもらうことも。
今はママのポジテイブシンキングが唯一の救い。
息子が持ってきた縁で、親戚付き合いをするようになって、もうそろそろ1年か、
先日、どこからか援助しますと連絡がきたそうだ。
家電製品をとのことらしいけど、1年も札幌に暮らしているのに何故今そうなのか?何故、もっと早くそんな支援ができなかったのだろう。
息子が、たかがあの小さな会社の経営者が素早く生活全般の援助ができたのに、行政ってとこはなんなんだ?
こんなに時間がたってからでは、遅いにきまってるでしょうが。有難いけど、何故?とみんな思っている。こんな矛盾だらけの現状。
3,11の日に息子はようこそあったかい道の一大イベントを企画しているらしい。詳しくはきいていないけど、今度はやっと市や道や色々な団体が共同で企画しているらしい。
ここまでくるのに、頭に円形ハゲを作り、家族を犠牲にしてかけずりまわったり、被災者のかたと一緒に泣いたり親戚からだって理解はされない活動を自分の使命と決めて取り組んできた息子に私は今、大いに褒めてやりたい。よくやってるよ。といってやりたい。
まず、家族を大切にしてから、他の人の為にと私も親らしく説教もしたけど、こんな理不尽な状況を、我々よりも強く感じている息子にとっての、今やらなければという強い心で行動していることは、理解できるので陰ながらのサポートはこれからもしていきたいと思っている。
きっと、神様は君のしていることをちゃんと見ていて下さると母さんは信じているよ。

今日来て下さった方々は、入ってくるなり質問攻めだったなあ。
東城百合子先生の本で勉強しているとかで、聞きたいことやまずみみたいだった。まだまだ聞きたいことあるというので、今度お会いしたら、野草の説明もしたり、私の知っていることは何でも伝える役目をしたいと思った。
私もまだまだ知らないことだらけだけど、もっと知らない人の為にこれからは、自分も勉強していかなければと改めて感じさせてくれた出逢いだった。