一大イベント

ああ、終わった。私の今年の一大イベントが終わった。
三味線の師匠が突然亡くなってから、2ヶ月半。
私にとっては偉大な師匠の死が、一体どういうことなのだろうと、考える間もなく、今日の追悼コンサートに向けて、突っ走る以外になく、ただただ今日の成功を念じて走ってきた。
一体どんな風になるのだろうという一抹の不安の中に、始まった今日のコンサート。
会場は大入り満員、立ち見まで出て、おまけにチケットはないかという問い合わせが、時間ぎりぎりまであったという。リハーサルで合わなかった合奏が、本番ではばっちりあって、弾きながら先生、どこにいて見ていてくれるかなと思って、思わず次の曲に変るタイミングを逃しそうになった。
こんなに偉大な三味線弾きを失ったのは、返す返すも残念の一言。
福島からの避難者の方々が「すごい先生に習っていたんだね」と感動して涙が出たと握手してくれた。
先生、とにもかくにも私達はやり遂げました。
寂しくて悲しくて、恋しくて涙は出るけれど、でも、もういくら悲しんでも先生は帰ってこないもの、前を向いて行くしかありません。私は今、泣きながら書いているけど、先生が成しえなかった今日の成功の達成感も味わっています。
今を味わいつくす、今日は本当に瞬間瞬間を味わいつくした一日だった。
チケットを買って下さった皆さん、本当にありがとうございました!
そして、私にとっては偉大な佐藤俊彦師匠、本当にありがとうございました!