お茶

自然茶と書いてじねんちゃと読む。
その「自燃茶を楽しむ会」の方々が忘年会に蓬ほうを使って下さった。
一体どんな事をする会なのかしらと興味津津で、初めてお会いする方々をお迎えした。お点前を見せてもらい、その自燃茶を御馳走になり、束の間の静かな凛とした空間を体験させていただいた。
こぼれた種から芽が出た自然のお茶を、1,2滴小さなお煎茶用の入れ物にいれて、その数滴のお茶を舌の上で転がすようにその香りを楽しむという。
昔、横浜の間借り先で茶道とともに、お煎茶も習っていたことがあるので、多少の知識はあった。でも、全くそれとは違うお作法で、しかし、合理的に静かにお点前が進む。
得も言われぬお茶の香りが心地よい。
ああ、なんて幸せとお仲間に入れてもらったことを感謝感謝。
心やさしい方々の集まりは、なんて心地よいものかと、ランチを用意しながら感じていた。
ちなみにメニューは、アボガドと豆乳の寒天寄せ、高野豆腐のグルテンはさみ揚げ、黒豆マリネー、ホウレン草とニンジンの白和え、黒米と豆の御飯にダル、ユリ根の梅あえ、アヤメ大根の酢漬け、サツマイモ団子、等など。
皆さんがダルやご飯、お味噌汁をお代わりして「本当においしかった」といって下さって、朝から張り切って作った疲れも吹っ飛ぶくらい嬉しかった。
先生の大島紬の着物姿もいきで、物腰も柔らかく上品で本当に素敵な方、生徒さんの一人が、60カ国も旅行したとかで、息子が作ってくれたネパール料理のダルをネパールで食べたときより美味しいと言って下さった。なんて繊細な味とも言っていただき、息子が聞いたらさぞ喜ぶだろうと思いながらまだ言っていないけど。
いいなあ、お点前をしているときのあの静寂な空間、久しぶりに懐かしく日本人の繊細な文化に触れた。

昨日のお客様は常連と言っていいほど、何度も来て下さっているお二人。
なんだか2人とも娘のように可愛くて、会えるのが本当に嬉しい。
二人組の一人の娘さん、中学1年生だそうだけど「鹿の角が欲しいっていうんだよね。変わってるでしょう?」と前に来た時に彼女が言って「鹿の角?あるよ」ってわけで無事鹿の角が娘さんに渡った。たいそう喜んで、頭に載せたり、ぴかぴかに磨いたりして大満足だそう。
なんで我が家に鹿の角があるのか?多分、息子が山歩きして見つけて持ち帰ったような・・・もう10年以上も我が家にあって、邪魔くさくてしかたなかった鹿の角が思わぬところでお役に立った。

昨日、老人ホームの歌のボランティアに行ってきた。店をyっちにまかせて。
朝、思いついてメロディベルを持って行った。
聖者の行進とジングルベルの2曲の音階を紙に書いて、簡単だから直ぐできると思ったけど、いやはや、練習の段階でハチャメチャで大笑い。ま、何とかなるさと本番、ありゃあ、自分の音をすっかり忘れる人、人の音を横取りする人と練習が何もならなかったようなハチャメチャさ。「ごめんね。さっきちょっと練習したんだけど」と言い訳したら「いやいや、よかったよ」などと優しいお年寄りの方々。
一緒に歌うことのこの楽しい時間、ピアノのおじさまが昔プロのピアノ弾きで素晴らしい演奏をしてくださるので、我々も安心して歌える。普段全く歌など歌わない生活なので、一か月に一度のこの時間が本当に楽しい。
ボランティアだけど、逆に楽しませてもらいに行ってるみたい。
歌ってしゃべって料理して、なんて楽しい毎日。
さっき、お店の水を落としに行って、ふと空を見上げたら札幌にしては珍しいようなきれいな星が瞬いていた。
寒さを忘れ、しばし星空に見とれていた。