小樽の海

いいなあ、やっぱり海は。朝連れ合いが小樽に釣りにいこうかなあという。あ、そう、いってらっしゃいーのつもりだったのに、匂いを嗅ぎつけた3年生が「行きたーい」おしっこが近いこの子を連れ合いはもてあますだろうと優しい妻は私が行かなくっちゃとスイッチが入り、慌てて顔を洗い5分で準備完了。
今考えれば今日は銀行に行ったり色々すること満載だったのに。
ま、行ってしまった小樽。
厩埠頭は釣り人でいっぱい。そこに大型の船2艘がきて、思いがけず船の着岸を見られた。
早速、釣り開始、しかし私は釣った魚には興味があるが、釣りには無関心。海はきれいだし、空気はおいしいし久しぶりの小樽の海にしばし酔いしれる。しかしだ、船のエンジンのおとがうるさくてなんだかゆったりできない。
というわけで、一人でバスに乗って街へ。久しぶりの都通り散策。
オー、村田のカバンや!結婚前はここでバッグを買っていた。そのバックが今も手元にある。
聞けばなんと創業80年だって。私がバックを買ったのは40年前だから、へーえ、すごい!
最後に小樽唯一のデパート長崎屋へ。あー、なんと懐かしい。
母と待ち合わせした待合場には、沢山のお年寄りがいた。そこに母の面影を重ねてしばし思い出にふけった。ああ、お母ちゃん、ここでお母ちゃんは私を待っていてくれたね。二人で歩いたあちこちの売り場、今はかなり変わっていたけど、それでも私は一人母の面影を探しながら歩く。
地下の食料品売り場は、平日にも関わらずかなりの混雑でびっくりした。
お年寄りが多いこの町らしく、配達するかごがかなりの数集められていた。
お弁当を買って、またバスに乗り厩埠頭へ。
3年生の孫は、お弁当も気もそぞろに食べ、爺ちゃんと釣りに夢中。
「おー、またかかったぞ」の声にさっと釣竿を持ち上げて、チカやイワシを外している。
淡々としているけど、楽しそうで体中が喜んでいるみたいに見えた。
「あーちゃん、飽きたから温泉にはいってくるけど」「夕方まで釣っていたいから、あーちゃん、いってってもいいよ」というわけで一足先に道路の向かいにある湯の花へ。しかし、待てど暮らせど2人は来ない。しびれを切らしてメールするとやっと今、餌がなくなったので終い始めたと。
私なんと1時間半も温泉につかっていた。
爺と孫は魚の生臭い匂いをぷんぷんとさせながら、やってきた。
また、温泉に。
今日は三味線のお稽古日、ああ、このぶんじゃ行けないと諦めた。
帰りの車から見えた小樽の海の夕日、淡く優しくなんて素敵!「ほら、みてごらん」と後ろの座席を振り返るともう可愛い寝息をたてて眠っていた。そうだよね、朝から9時間もずっとつりしてたもんね、疲れたよね。
我が家のクリスタルチャイルドは家に着くなり、着替えてすぐ蒲団に入ったそうな。
この子の大満足な1日に付き合った爺ちゃんもまた、幸せそうだった。
チカとイワシはかなりの大漁でした。