被災者とのふれあい

被災者という言葉は使いたくないけど、適当な言葉がみつかりませんのでごめんなさい。
昨日、息子がやってきて福島から近くのアパートに避難してきたsさん一家の家に行くから、一緒に行こうというので、連れ合いと3人で伺った。80代の両親と40代のお母さんとその娘達とお姑さんの一家6人は、6畳2間、3畳間、4畳半の台所に住んでいる。先日の「ようこそあったかい道」で既に紹介されていたので初対面は連れ合いだけ。
狭い台所兼居間に8人がやっとこ座って色々話した。
その合間に震度6地震が福島で発生のニュースが流れるとすぐ、高校生のお姉ちゃんは、悲鳴をあげた。お母さんの顔も引きつり、お年寄り達も「ああー」とため息。
そして、いかに地震が恐ろしかったかを其々に語り始めた。
お爺ちゃんはホームセンターに買物に行きたい、おばあちゃん達はどこでもいいから、外に行きたい、できれば温泉に行きたいというので、連れ合いが今日の午前中にお迎えに行って、3人をお連れする約束をした。
そして今日、出かけて行った連れ合いが1時間後に、3人と一緒に蓬ほうにやってきた。
どこかで昼食をということになったら、3人とも蓬ほうがいいと言ったとかで。蓬ほうランチをおいしいおいしいと召し上がってくれて、「では、ドライブがてら温泉にでもいきましょう」と連れ合いが言った。
「私も一緒に行こうかなあ」とほかにお客様もいないし5人で長沼へ向けて出発。道中3人はずーっと「こんなにしてもらってありがとう。北海道にきて本当によかった」とずーっと言っている。一緒に長沼温泉に入って、アイスを食べて、まるで親子のように仲良しになった。
80歳のお婆ちゃんは、1度アパートに住んでみたかったので、夢が叶ったと喜び、今まで1度も飛行機に乗ったことがなかったのに、今回初めて飛行機に乗れて嬉しかったといい、何度も、こんなに嬉しくて、わくわくして、なんだかすまない気持ちだけど、でもうれしいわと言った。どこかに、現地に残っている人の事を思って後ろめたい気持ちがあるのだと思う。
「いいんだよ、北海道にいる間にうーんと楽しんでね」
温泉に入る前に、近くの空き地でふきのとう採りをした。
3人は「いやあ、こんなに楽しい事までさせてもらって・・」といいながらきゃあきゃあいいながらふきのとうとりをした。蕗味噌を作りたかった私は、やったー、ふきのとうだーと手を泥だらけにして今春初めてのふきのとうとり。
買い物にドライブに温泉で、3人は大満足の様子だったので、本当に私たちも嬉しい半日だった。
また今度、どこかに一緒に行きましょうねと約束してお別れ。
何もないアパートの6畳間に6人が狼狽して座っていたところへ、縁があって訪れた息子がトラックに家財道具を積んで生活できるようにどうにか形を整えたというところからの不思議なご縁。
多分、これからも親せきのようなお付き合いが続くのでしょう。
心をこめてお付き合いしたいと改めて思っています。
身寄りがなくて北海道に避難してきた方に、其々サポートする家族がついたなら、どんなに心強いことかと思う。
サポート家族制度、だれかそんなボランティア進めてくれないかなあ。
お話し相手だけでも、きっと喜んでいただけるのではないかしら。