被災

被災者救援の為に奔走している息子と久しぶりに会った。
彼の言うことに耳を疑った。
札幌市に続々と避難してくる方がたに市がしていることは、ただ上もののみの支援だと。
この寒空に、何もない部屋に家族で戸惑う姿に衝撃を受けた。
ストーブはおろか、それこそ何も物がない住居に放り込まれて、どんな思いをするか考えているのか、いえいえ、行政のすることに期待はしないけど、まさか、部屋だけの提供で済むのか?
リサイクルショップ経営の息子は、福島からきた家族6人の所に行って、とりあえずの必要な物資を運び、家族と話をしてきたという。
小学生は近くの小学校に転入が決まったけど、高校3年生は、福島でもわからないというし、札幌でもどこも受け入れがないというし、生徒会長に決定していた優秀な子は、今、どうしたらよいのか全く霧の中にいるという。
お爺さんに泣きつかれ、息子は高校の先生をしている叔父に電話をかけた。
ああ、春休みで先生たちは家にいて当てにはならず、校長はなんとかかんとかというさまざまな理由で、逃げ腰だと。
市会議員も道義も市長までも自分の選挙に忙しく、10日過ぎたら協力すると口を揃えるらしい。
親しい市会議員にだめもとでも相談したら?と言ったら、市長でさえ何も手を打たないのだから、それは無理だと息子は言う。
政治家は当てにならないとはっきりわかった。
では、我々が動くしかない?
家族で色々相談し、とりあえず、近くの団地に避難してきた家族6人のかたに、我が家で夕食を食べていただくことになった。そこから、何ができるか探りたい。
まだ、何もない、ストーブさえついていない家族が、寒さと心細さで震える夜を過ごすのかと思うと、本当に心が痛む。
マスコミにも出ないこの現実、そしてこれからもっと多くの被災された方々が来道されるというのに、こんな情けない事でいいわけがない。
何かしたいという人は大勢いる、しかし、それをたばねる人材がいない。という現実。
政治家やさまざまな人たちから、誹謗中傷されながら、果敢に行動する息子に親としてできる限りの協力をしたいと強く思った。

アジトという店のチャリティに桃の寒天を作って協力した。
それが、テンツクマンの支援に繋がっていると知って、急きょ地下鉄でかけつけた。
そこで、夢蔵さんに出会って色紙を書いてもらった。
頑張り過ぎた私へ、力を抜いて私が私らしく生きてねというメッセージをもらった。
今日の支援は60万円にもなったときいて、ああ、私も何か動こうと思った。
何だかせわしない1日だったけど、息子の報告で喝が入った。