築42年

お向かいの家はまだ築14年だというのに、壊して建て替える。
まだまだ使える台所のシンク、サッシ、ドアなどが結局ゴミになっていくのを眺めていて、なんて勿体無いと勿体無いばあさんになって嘆いて見ても仕方がない。
使えるものがあれば頂こうと、メジャー片手に図ってみたけど、サッシはことごとく寸法が合わなく、あー、勿体無いと壊す作業をみつめているばかり。
3階建の一見立派そうに見えた建物が実は手抜きだらけのとんでもない建築だったらしい。そういえば、連れ合いが建てている時「ありゃ、まずいんじゃないか?あんなやり方をしていたら地震のときつぶれるぞ。建て主は見に来ないけどだいじょうぶなのか?」と何度も言っていたっけ。
壊すのを見ていたら、断熱材が見当たらない。かなりいい加減な建て方だったみたいだ。
そこへいくと我が家は築42年だけれど、いまだにがっしりしている。
屋根を直し、壁をサイディングにし、流しを建て増しし、押入れを壊して床の間にし、2部屋を一部屋に日曜大工でリフォームし、又、流しを取替えと、結局トータルすると家一件分位のお金がかかっている気がするけど、それでも充分暮らすのには不自由しないし、何より愛着があって新築の今はやりの立派な家もいいかもしれないけどこの家がとっても好きだ。
まあ、古民家でいいわねと友達が言ったけど、そうか古民家かと、古民家いいねえと思っている。
古いせいか家に来た人はみな「なんかこの家落ち着くねえ」といって下さる。小さな手作りテラスと小さな庭お外でコーヒーも出来るし、朝に晩に隣の孫達とおはよう、お休みと挨拶も出来る。