ゴミ屋敷

昨日の夜、ゴミ屋敷のテレビを見た?息子がnhkから密着取材を受けたのが、昨夜放映された。
結構長く取材を受け、仕事先にカメラが同行して・・とか聞いていたので、どれくらい映るのかなあと思っていたら、全編、息子の協力した写真と資料が流れたものの、息子のインタビューも社員が働いているところも前半だけで、ま、得てしてテレビとはそういうものだけどちょっと拍子抜け。
全国放送だから、多分、時流に乗って見る人は興味を持ってみていただろうと思う。
何が問題なのか、何故あんなにもゴミを溜め込むのか。あのテレビに出てきた人は、頼み込まれて仕方なく取材に応じたのだろうけど、息子の話によると、取材の依頼を受けた当時、顔も出さないし、声も変えるからと頼んでも、恥ずかしいからいやと拒否されて結局、その時のゴミ屋敷の写真は撮れなかったらしい。家中、足の踏み場がないほどうず高く積んだゴミの中に暮らす人の仲にも、自尊心とか恥ずかしいという気持ちがあるらしい。
なら、何故?番組の中で根本が変わらなければ、この問題は解決しないと言っていたけれど、何故そんな風になってしまったか、私には計り知れないけれど、結局、人と人の触れ合いがない孤独な人がそうなるのかしらと想像する。
親戚に家中ゴミだらけにして、ゴミの中で一人死んで逝った人がいるけれど、彼女は一切の人を寄せ付けず、こちらから援助をしようにも頑なに拒んで、ついに変死した。亡骸をゴミの片隅にスペースを作って安置し、親戚総出でゴミ片付けをした。彼女の死を悲しむどころか、このゴミを何とかしなければ葬式も出せない、とみんな必死だった。この時、電気の入った冷蔵庫の中にも虫はわくと初めて知った。彼女のような人は、稀だと思っていたけれど、いつのまにか、稀ではなく頻繁に起こっていると、息子の仕事を通して知った。
なんでも、ゴミ屋敷にする人は、公務員や看護婦など固い仕事の人に多いらしい。でも、主婦とか若いお姉さんも増えているというから、益々わからない。そういう人たちは、外見は綺麗にしているので、誰も気がつかないのだ。
息子は仕事柄そんな人たちと合う機会が多く、多分それが分かったら本でも書けると言っている。
一見普通の綺麗なお姉ちゃんの部屋が、ゴミで覆われ、その中で普通に生活しているって、どういうことかいな?お金も物も余裕があるからそんな風になるのだろうね。
お金がなければ、ゴミにするほど物は買えないもの。
豊かな生活が生み出した、ゴミ屋敷。豊かな社会が生み出した寂しい人々。
色々感じた番組だったけれど、今日ボラ仲間に頼まれ、引越しの為の整理に行ってきた。
いやいや、凄かった!あるは、あるは。使わないもの、投げずにしまってあったもの、いいもの、ゴミ同然のものをまず仕分け。本人に聞くと、うーん、どうしようという物の方が多い。ボラ仲間9人は、チームワークよろしくあっという間に、大量のゴミと使う物の仕分けをする。
80歳過ぎた彼女、今まで溜め込んできたものは、我々の想像以上で、今日は台所の片付けが主で、あれだけのゴミの山になったのだから、いやあ、どうしようという感じ。
明日も何人かの仲間が手伝いに行くけど、あとは彼女が仕分けるしかない。
終の棲家を函館に移す為の引越し準備を手伝いながら、改めて、今の日本の物質的な豊かさを感じた。ああ、人事ではない。私も身辺整理しよーっと。