車中泊

予行演習に一泊してみた。
予定がびっしりの私と、閑を持て余し気味の連れ合いのバランスがとれず、「いいよ、俺一人で行くから。それとも誰か誘うから」とやけくそに言った連れ合い。しかし、長年連れ添った最愛の妻を置いての車旅など面白くも何とも無いというのは、奴さんも内心わかっている筈。
フーン、やっぱりね、奴さんはその舌の根も乾かぬうちに、グリーンと赤の寝袋を買ってきて、「ほら、寝てみれ」
というわけで、3日前、よし、行くかと午後3時を過ぎてから突然その時はやってきた。
すぐやる課の家長の連れ合いの気質は充分わかっている。
それーとリュックに着替えを詰め込み、15分で出発完了。
中山峠に差し掛かると、強烈な霧と雨。しかし、ニセコ方面は快晴。着いたのは岩内の道の駅。
温泉に浸かり、駅前でうに丼を食べ(実は私の目的は今だから白状するけど、うに丼だったんだよね)夜の港を散歩し、さあ、念願の寝床作り。窓に突っ張り棒をつけ、布をぶら下げてカーテンの出来上がり。
椅子を倒してマットを敷き寝袋を敷く。さあ、寝てみれ。うーん、ちょっと、ごつごつするけど、ま、いいか。
何もする事もなく、ラジオも電波が悪く聴けず、結局9時就寝。夜中、寝ずらくて何度も目が覚める。連れ合いの特技はどこでもすぐ寝る事なので、かなりの高いびきで熟睡。
朝5時、あちこちで朝食の準備をしたり、車を洗ったり、自転車の整備をしたり、外は結構騒がしい。秋田から普通乗用車で車中箔しているご夫婦は、6年前からこんな旅をしているという。今回は20日かけて北海道の端を旅するそうだ。お金がかかるので、殆ど自炊だと。隣の香川ナンバーのキャンピングカーのおじさんは一人で旅しているらしい。
佐賀ナンバーの4人ぐみのおじさん達は、3人が自転車で走り、一人が車を運転して北海道1周するという。その日の夕方派手な衣装で走っている3人を余市で発見した。
車中泊の旅をしている人達がこんなにいるなんて、ビックリ!
認識を新たにした。
たった1日なのに、疲れてヘトヘトの私。こんなんで、1ヶ月も続くのか・・・とチト不安。
しかし、連れ合いはやる気満々。今回の不備を解消し、快適な旅にする為の、グッズを着々と取り揃え、ネットで調べと近々「よし、行くぞ」と言いかねない勢い。でも、残念、内地は猛烈な暑さ、北海道しかないでしょうこれからの車中泊は。
「今やらないと、死んでも死にきれないのさ」と秋田のおじさんは笑って言っていたけれど、うちの夫も孫育てから開放されやっと得た自由な時間を好きなようにしたいという思いが強いのは分かっているので、夫思いの出来た妻(だあれもいってくれないけど)は、よしよし、一緒に付き合うかと思っているわけであります。