来て嬉しい帰って嬉しい

4ヶ月ぶりにやって来た孫二人。会いたくて会いたくて、思うだけで涙が出るほど会いたかった孫達。
しかし、孫合計6人もいるのでこの6人が集まると大変な騒ぎになる。
暮れから正月にかけては特にうるさかった!
夫は時にたまらず脱走、もしくは寝たふりを決め込むが、私はそうはいかず、朝から寝るまでの「アーちゃん」コールに半ばノイローゼになりそうな毎日。それでも可愛い孫、やれスケートだ、デパートだ、温泉だと疲れた体に鞭打ちサービス。
等と愚痴も出たが、思えば楽しい日々だった。
毎朝3人の女の子の髪を結い上げる幸せ、なんともいえない可愛いしぐさや言葉、抱っこをねだるあの可愛らしさ、6人が夫々の個性をもっていて、その一つ一つの個性的な性格に感心したりあきれたり、そう、思えば楽しい幸せな時間だったではないか。と、すぐ過去のことを忘れる私は、今度又彼女等が来る日をまた、心待ちにするのさ。
次男が再婚し、新しい家族が増え、過去にあった様々な事などもう捨てていかないと新しい事についていけない状況になった。3人の孫は素直に父親の再婚を喜び、新しい家族を喜び、その真っ直ぐな素直さに、私も学んだ。毎朝のテレビの「だんだん」のようにいろんなことを乗り越えながら、幸せに向かっていこう!

正月元旦、本家に集まった43人の一族に、夫は「今日限り息子の勘当を解く」そういって新しい家族をみなに紹介した。正月早々我が家は新しい出発が始まった。そして、私もまた三味線で名取り襲名という新しい出発、しかも戴いた名前は「○蓬」「○○ほう」という新しい出発、生命の始まり、人との出会いなどの意味を持つ名前とか。やっと吹っ切れた過去の出来事を、もういいんだよ新しくスタートしていいんだよと言われているようで、本当に嬉しい名前を頂戴しました。

去年の10月から三味線を習い始めた9才の孫は、メキメキト上達し、先日の発表会では600人のお客様の前で堂々とシンをとって初舞台を収めました。水を得た魚の勢いでこの子は、夢中になって三味線を弾いています。楽しくてしょうがないらしく、教えられてもいないのに勝手にもうじょんがらの3節を弾いているのでびっくり。
子供の吸収力の早さは本当に凄いなあ。
私もこの11年間に三味線弾くどころではない状況に何度も追い込まれ、もう辞めてしまおうと何度思ったか。その度に後押ししてくれる仲間がいて、どうにかこうにか続けてこられた。あの時、辞めていたら今はないので、本当に辞めないで続けてよかったとつくづく思います。
そして、わたしよくやってきたねと自分を褒めて上げたい。
母が元気な頃「お前はえらい!よくやっている。おかあちゃんにはまねできない。たいしたもんだ」と褒められました。
この大家族の中でいろんなことを乗り越えながら、親戚と仲良く付き合っていることを褒めてくれたのですが、だあれもそんな風に言ってくれなかったので、母の言葉が胸に沁みました。
母が存命なら「よく頑張ってえらかったね」ときっと褒めてくれたでしょう。
実力があって戴いた名前ではありませんが、今、私は素直に喜びをかみしめています。