蜂の巣

7月に有珠に行った時の事、庭の1メートルチョットのグスベリの木に長方形の蜂の巣を発見。長さは30センチ以上かな。結構大きく見えたけど。男二人が考えたのは、木の枠を作り、そこに網を張ってグスベリの木の上に乗せるという事。何もそんな危険なことしなくともと私は思ったけど口を出さず成り行きを見守った。
男二人は100円の白い合羽、麦藁帽子帽子に網をかぶせ長靴を履きまるで白の集団のようないでたちで決行。中の蜂は外に出られず、外の蜂は中に入れず右往左往。なんだか北朝鮮のようだねといった私に、夫は「おまえ、たまにはうまいこというねえ」ま、とにかく計画は5000円もかからずに成功。
それから2週間後、蜂の巣はどうなったろう?隣家のおじさんが「それがねえ、気になって2日後見たら蜂の巣がないんだよねえ」エーッ、そんな馬鹿な!しかし、どこからどうみても蜂の巣はない。被せた木の枠は動かないように固定していたし、それが動いた様子もないし。うーん、どういうこちゃ?そこで長男が言った。「蜂は種類にもよるけど、食べるものなくなったら、自分達の巣を食べてしまう事もあるんじゃないか」と。
へーえ、それなら合点がいくよねえ。ということでそうかもしれないと結論づけたけど、義兄がそれには納得せず、「いや、きっと誰かがとっていったんだ」という。誰かって誰?あんな田舎の人も歩かないところで・・・・。
依然、謎に包まれた蜂の巣事件でした。

話はころっと変わって、先日八雲の三味線の発表会がありました。
八雲在住の師範の方とお弟子さん達とほぼ3人で600人の人を集めた感動的な会でした。彼女の八雲の人たちに師匠の三味線を聴かせたいという一念で今回の会がスタートしたそうです。わが師匠があまりにお粗末な音しか出せない札幌の弟子達に「あんた達、八雲でたった3人で券をさばいている人たちの苦労を考えたら、そんな様じゃ、失礼でない会」本当に師匠の言うとおり、並みの努力ではなかった筈です。
ゲストに怱々たるプロの歌い手の方たちをお招きしての会、発表会とはいえ、ひとつも気を抜けない真剣勝負です。
不詳わたくしめも、失礼のないようにと今回はちょっと練習しました。わたくし的には、ミスもなく無難に(上手い下手は別にして)弾き終わりホットしたというか、かなり気持ちが良かったのです。なにせ、最近の舞台では、トチッテはづかしい思いをいっぱいしてきたので。
600人のお客様は、会場に入りきれずにロビーまで溢れていました。
そして、1曲終わるごとの何ともあたたかい拍手と、合間に入れる合いの手の絶妙さに感動すら覚えました。民謡日本一の歌手の方も、お客さんのあったかさに感動したと言っていました。
なんだろう、あのあったかい雰囲気は。お客様方がお帰りの時、口々に、いやあ、良かった、感動した、いいもの聞かせてもらった、涙が出た、死んだ爺ちゃんに聴かせたかった、来年またきておくれなどなどわざわざ握手してくださる方もいて、凄いなあ、みんなの思いがひとつに繋がるって凄いなあと思ったことでした。
それと、始まる前に、師匠の師匠が「皆さん、今日お世話になるuです。どうぞよろしくお願いします」と我々の楽屋に挨拶にみえました。師匠の先生がです。
大ベテランのこの方の頭を低くしての挨拶に私は一人感動していました。やはり、道を究めている方は凄いです。
そして、70歳は過ぎている一人の方の情熱が実を結び、嬉しさに涙を流している姿に我々も感動の涙を流しました。また、年齢ではない、したいときがその時なのだということを学びました。