アメリカからのお客様

小学校1年生からの親友mちゃん夫婦がお父様の13回忌の法要の為に、アメリカから来道しました。滞在はたったの3日間、その中の1日だけ私達夫婦と一緒に過ごしました。
さて貴重な1日をどうやって喜んでもらうか、色々案はでるものの、連れて行きたい所が多すぎてなかなか決めかねていましたが、宿は登別に決めたので小樽やニセコはあきらめました。
行ったのは白老のポロトコタン、白老陣屋資料館、四季彩街道を通って、大滝から洞爺湖へ、噴火跡を見て有珠の家をみてもらって伊達の町並みを見学してから登別に入りました。
mちゃんはアメリカ生活がもう40年あまりになるので、温泉など長い事入ったことがないというので、今回は是非体験して欲しかったので温泉宿を選びました。ご主人も以前1度だけ入った事があるというので、それぞれ2人ずれで温泉体験。mちゃんは「ねえ、どうやってはいるの?わかんないから真似するね」と私の後ろにくっついてきます。「今朝シャワーあびたから体は洗わなくていいから、浸かるだけにするわ」と言う彼女に「まず、体を石鹸で洗って、顔も洗ってそれから入るんだよ」2人でケタケタ笑いながら、7個ある湯船にすべて浸かり1時間たっぷりの温泉体験でした。去年アメリカで話したとき、恥ずかしくて入れないといっていた彼女だったので、すんなり入ったのでちょっとびっくりしました。風呂上りのビールを飲みながら、ご主人のtが日本語で「郷に入れば郷に従え」といったのには大笑いでした。よくそんな言葉知っていたねえと。
話題は尽きなく、mちゃんは夫同士の会話を通訳しながら楽しい時を過ごしました。
次の朝、私に「オー、a子、その服とってもいいねえ。素敵だよ」というではありませんか。勿論英語で。さすがアメリカ人、エレベターでも、車に乗ってもさりげなく気をつかってくれるし、なんてスマートなんでしょう。勿論、荷物も奥さんには持たせずいつでもだれにでも優しいT。Mちゃんも言っていました。
「ずっとこの優しさは変わらないわね。一度も大声で怒ったりしたこともないし、子供にも私にも誰に対しても声を荒げた事はないわ」ですって。
本当に素晴らしい人なのです。
さっさとエレベータには乗り込むは、荷物は私に持たせて平気だわ、昔の日本男児を誇る我が亭主殿の行動に、Mちゃんと影で大笑いしました。
去年のアメリカ旅行で少しは優しくなったと思っていた我が亭主殿は、アメリカ人のTの前では霞んでいました。ま、私ももう37年もこういう生活なので、Tみたいに優しくされたらくすぐったくてだめかもしれない。慣れって恐ろしい。
Tと夫も仲良く二人でサウナに入ったり、温泉に浸かったりしたそうです。大柄な彼は特大の浴衣もちんちくりんで、でもなかなか似合っていました。
Mちゃんが言いました。「ねえ、Sさん、Aちゃんと一緒にいたら、楽しくて退屈しないでしょう?」「うん、退屈はしないねえ」エー、私はお笑いかい?
Tは確かにあめりか人なんだけれど、夫も私も人種は関係なしにお付き合いできる本当に人格的にも素晴らしい人で、たった1日だったけれど、楽しく濃い時間でした。小学校からの親友と夫婦で仲良く出来るなんて本当に幸せだなあとつくづく思った事でした。来年は絶対チャールストンに2人で来てね、絶対だからね、と何度も言って、26時間もの遠いアメリカに帰っていきました。