サイクリング

連れ合いが最近自転車に凝っていて、折りたたみの小さな自転車を購入して以来、毎日距離を伸ばし、このごろは早朝にはもう走り、昼から走り、夕方走りと一日で40キロ以上も走っています。
まるで小さな子供がおもちゃを与えられて喜んでいるような感じ。
新たな生きがいを見つけた連れ合いは、日に日に足の筋肉がついたと毎日私に見せて喜んでいます。サイクリングで出会う人々や、車では見つけられなかった景色など、彼なりにワクワクするような感動の毎日のようで、つくづくあのとき強引に自転車買えーといってよかったと思っています。
折りたたみの自転車を見つけたとき、何故かこの自転車は夫にぴったりと思い、その場で強引に買うように勧めたのにもかかわらず、頑固な彼は、ま、いつでも買えるとそのときは買わず、結局、当てにしていた家族のお下がりの中古の自転車が乗れないとまさに帰宅してすぐにわかって、私は自分の勘の良さにびっくりしました。夕方いなくなった連れ合いは、あの自転車を持って帰ってきました。「ほれね、妻の言う事もたまには聞くものだよ」と言わなくてもいい事を一言。
ま、とにかく64歳の彼は機嫌よく毎日楽しげに暮らしていて、「このぶんなら冬にスキーもできるぞ」と張り切っています。
そんな連れ合いを尻目に、この私はなにも運動らしき事もせず、ただ家事と本と三味線とと、からだ良い事はなにもせず、お腹の脂肪だけは着実に増える毎日、うーん、ちょっとまづいなあと思い、連れ合いが出かけた隙に、行って来ました自転車で。1時間くらい走ると結構汗がじわり、ママチャリでこれからもちょっと走ってみようとおもっています。
昨日、友人がとっておいてくれたビデオを見ながら、おいおいと泣いてしまいました。女優の戸田さんの体験が私の体験と重なって、母のことを思い出してしまいました。母が亡くなって2年、ようやく立ち直れた筈の私なのに、最近母を思っては涙が出ていました。ビデオを見て何故なのか解った気がしました。
あの壮絶な病と向き合った日々、2年たっても私の中で充分に消化しきれていなかった、母があの死の床で何を思っていたか解るだけに、辛くてつらくて、かわいそうでかわいそうで、でも、それは母のものだから、母の生き様だから私はただ自分で出来る事をするだけとあの時も、今もそう思いながら、それでもどこかにモヤモヤしたものが残っていたのです。
まさに、このときにあのビデオをみせられたのです。
泣いて泣いて、そのあとに自転車にのりながら素晴らしい夕焼けに出会いました。
あの夕焼けに癒されました。