極める

ひとつことを極めるってすごいなあと感じた昨日1日でした。
三味線の仲間の一人が民謡の発表会をしました。
唄一筋40年という彼はお弟子さんも沢山いる民謡の先生で、一から三味線を習い直したいと私たちの仲間になった人です。
その彼が不治の病におかされていると知った我々仲間が全面的にバックアップした昨日の発表会でした。
彼や、家族の方の胸中いかばかりかと、彼が歌う姿に何度も涙が出ました。
やせ細った彼の姿、でもあくまでも明るく、真剣な中にも笑顔が輝いていました。
おそらく、すべてを知っている人なのでしょう、涙をぬぐって聴いている人もいました。照明係をしていた仲間が、涙が出てしょうがなかったといっていましたから、おそらく知っている人たちは祈る気持ちで彼のことを見守っていたはずです。
私の師匠は言葉には出しませんでしたが、三味線の音色に彼へのいたわりの、そして愛情が響いていました。
2次会は大勢でわいわい芸達者ばかりなので大騒ぎでしたが、3次会は唄がひとつもなく10人くらいが3時間くらいいろんな話で盛り上がりました。
5時から始まった2次会3次会の終了が11時でした。
朝8時前から着物の着付けのお手伝いをした私はもうへとへとでしたが、なんだか気分が高揚していました。
先生が「みんな本当にありがとう」と深々と我々弟子たちに頭を下げたのがまだ今日も瞼に残っています。
そうそう、ある歌手の方が自分の持ち歌をカラオケで歌ったのに私は感動しました。すごい!カラオケに自分の名前が載っていてそれを本人が歌うなんて!
「本物よりうまい!」と私が言ったらみんな大爆笑していたけど、いやあ、あの唄のうまさに酔いしれました。
やはり、極めている人というのは、なにかが光っています。
人生の一大イベントの発表会を終えた彼が、これからも少しでも長く光り輝いていけますようにと祈るばかりです。