放浪記

私の実の父親は、若いころパラオ諸島を放浪して歩いたひとです。
戦争前のこと、昭和10年代のことです。
彼が勤めていた会社の機関紙に連載された「放浪記」を読んだ時、胸が躍ったのをおぼえています。
へたな小説より面白い波乱万丈の彼の若かりしころの人生をいつの日か、形にしたいと思いコピーをとっていました。
私はいとこの家に養子に出されたので、彼のことはおじさんと呼んでいました。このおじさんが死んで