中華三昧

叔父の13回忌が近くの「華茶花茶」という中華レストランで行われた。15人の少人数で、亡き叔父を偲んだ。
叔父が亡くなった時、私は息子と2人でチェンマイのお寺で、叔父の冥福を祈った。そうか、あれからまる12年たったのか。
戦争体験の辛さを抱えたまま、酒を飲むことで癒していた叔父だった。
我々にはわからない辛い体験を沢山してきたのだろう。
誰にもその辛さを話さないまま、亡くなった。
尋常ではない酒の飲み方だったけど、誰にも止められなかった。その苦しみも分かってはあげられなかった。
ただただ、酒を飲んで、前後不覚になる様に、哀れを感じていただけだった。ではないか、私はそんな叔父しか知らなかったけど、他の人達は、もっと違った叔父さんをしっていたから。
沢山趣味を持ち、俳句もたしなみ、書もかなりの腕前だったらしい。
しかし、そのどれもを断って、ただただ酒を浴びていた。そんな叔父の印象しかない。
叔父を思いながら、和気あいあいで楽しく食事をいただいた。
前菜から始まり、ゆっくりと時間をかけて運ばれてくる中華のフルコース。
いやいや、美味しかった!一つも残さず、全部いただいた。
かなりのクオリティの高さのお食事に大満足だった。
でも、なんと3時間半も食べて、飲んで、おしゃべりしていた。
ちょっと長すぎだったかも。
それにしても、今日のこの吹雪はすごかった。
3月だというのに、すさまじい吹雪で、窓は吹き付ける雪で真白になった。
窓についいた雪の模様があまりにもきれいで、何て美しいんだろうと外の吹雪をよそに、見とれてしまった。
三寒四温の3月、啓蟄の月とはいえ、この分ならまだまだ、啓蟄とは名のみかな。
でも、我が家の寒ーい廊下に、ワラジムシの死骸発見。
こんなに雪だらけなのに、水面下では春が始まっているのかも。


お客様から電話があり、びわエキス譲ってと。
何でも、私の作ったびわエキスを、息子さんのアトピーに塗ったら、とても効いてまた欲しいとのこと。
まだお店開かないのかしら?とも言われて、何だか、色んな人達に背中を押されているなあと感じる。
長く休んでいたら、自分はあまり必要とされていない気もしたり、このまま、冬眠するのも悪くないかなと思ったり、消極的になっていたけど、ここにきて、よし!やるぞー!と気合が入ってきた。
あらまあ、のんびりもしていられないわ、と。
今日の華茶花茶の店内のインテリアがとっても素敵で、ああ、こんな風にしたらいいんだなあ、と勉強になった。連れ合いも、何か刺激を受けたみたいで「店の外に、こんな木の囲い作ったらどうだ?」などと言う。
いいぞいいぞ、父ちゃん、春になったら、作ってね。
大工仕事は、プロ顔まけの腕前なので、あとは、センスをちと加味してお願いしちゃおうっと。
窓ガラスも入れたし、雪もどけたし、あとは、水が出るかどうかの点検。
昨日も、やる気になって、ランチョンマット作ろうと、帯を切っていたら、姪が来て「手で縫うの大変でしょう。ミシンかけてあげる」と言って持って行った。
何ていい娘、彼女は芸術家なので、センス抜群。任せて安心。
なんというタイミングの良さ、まるで分かってやってきたみたいだったなあ。
今度は蓬ほうのベランダのガラスに、何か描いてくれるというから、それも楽しみ。
プロのお料理、最高に美味しく、幸せなひとときだった。私は、こんな素晴らしいお料理できないけど、私なりの心のこもったお料理を作りたいと、改めて思った。